全てが終わりを告げる時

関係の修復

「……えー、教科書の136、137ページを開いて下さい」


歴史担当の教師の言葉を聞き、パラパラと教科書を捲っていく


指示された通り、目的のページを開いた瞬間、呼吸を忘れた


そこに記されていた内容は……



『狂信主義と最期の魔女狩り』


ややあって、漸く息を吸い込む


ドクリと、心臓が大きな音を立てた



「皆さんは既に、小中学校で軽く学習していると思いますが、高校では更に詳しく学習していきます。

中世末期頃から近代にかけて起きていた魔女狩りですが、

最も盛大に行われていたというのが、この最期の魔女狩りです」


心臓の嫌な音は鳴り止むどころか、更に大きくなっていくようだった



「過去の文献によれば、最期の魔女狩りの始まりは、一人の老婆の錯乱からだと云われています」


『……今回の盛大で最悪な魔女狩りはね、一人の老婆によって起きてしまったことなんだ』


アキの声が、脳裏に蘇る



「魔女の疑いをかけられた老婆は───」


お父様とお母様が、壇上で冤罪を認めている光景が、フラッシュバックする


途端に震え出した両手を、膝に押し付けた



「当時のドイツで異端審問官だったハインリヒ・クレーマーは、『魔女に与える鉄槌』という書を出版し、そこには魔女を発見する手順や処刑方法などが記されていたと───」



音を立てながら、炎が揺れ動くのが見える

群衆の歓喜の声が……聞こえる
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