全てが終わりを告げる時
そういうことか、と納得すれば、羽津摩は未だに理解ができていないらしく、堂々と慎也に問いかける



「……それとこれと、いったいどういう関係があるっていうんだ?」


「…………君、本当に生徒会長なんだよね?」


そんな羽津摩に、慎也は呆れの混ざった疑いの眼差しを向けた


私と慎也に何度も言われたその言葉に、羽津摩は焦りながらも反論する



「せっ、生徒会長に求められるものは、人望の厚さと責任感と、プラスアルファーでユーモアだ!

知能なんて必要ない!!」


若干開き直り気味の生徒会長を、二人で目を細めて見つめれば、「と、とにかく話を進めろ!」と怒鳴られた



「はあ……じゃあそんな君に聞こう。

1棟1階。 ここには何がある?」


「え? えーと……

保健室に応接室、会議室、職員玄関、事務室、放送室、相談室、職員室、校長室、校務技……ってああ!

なるほどな!」


漸く理解した彼に、再び溜め息を吐いた慎也は、本題を切り出した



「君のせいで2分も無駄になってしまった。

時間がないから、大まかな説明だけするよ」


早口になりながら、計画を説明し始める


「今回仕事をしてもらうのは、〝力〟の練習も兼ねて、倉渕会長だよ」


「……え、お、俺か!?」


「そう。 校長室へ瞬間移動し、綾瀬実栗の書類を記憶して戻ってくる。

ただそれだけさ。

校長先生は今職員室にいるけれど、いつ戻ってくるか分からないから、チャンスは一度きりだよ」
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