全てが終わりを告げる時

世界の最期

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何だろう、この白い砂は……


少女は不思議に思いながら、砂の上を踏み歩く


その白い砂は、突如として、2棟の校舎裏付近から敷き詰められ始めていた


粒もかなり小さめで、寺院でよく見かける石を砕いたみたいだ、と考える



「……〜〜〜〜〜っ!」


───不意に、誰かの声が聞こえた



少女が校舎の角を曲がり、進んでいくと、徐々に言葉が鮮明に聞こえてくるようになる



「ちょっと顔が良いからって、調子に乗ってんじゃねーよ! 綾瀬!!」


グシャッ


……何かが潰れる、音がした


「きゃあ!?」


その短い悲鳴の後に、続けざまに聞こえる不愉快な音



綾瀬……?


綾瀬というのは、綾瀬実栗のことだろうか?


少女は思う



それより何よりも、この先で何が起きているのか気になった少女は、声と音のした方へ走り寄った



走り寄った先───資源置き場の裏には、一人の少女の後ろ姿があった


その右手には、地面に敷かれた砂と同じく、白い砂が乗せられている


しかし周りに、先程まで聞こえていた、複数名の声の主は見当たらない



疑問に思う少女の前で、手に砂を乗せていた少女は、微笑を浮べながら、その砂を地面へ落とした


サラサラと重力に従って落ちていく砂を、呆然と眺めていれば、全てを落とし終えた少女が、流れるような黒髪を靡かせて、こちらを振り返った



そして、呟く




「……どうかしましたか?


───未來さん」

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