全てが終わりを告げる時
「Anythingなのに、できないことがあるっていうの?」
「はい。 最先端技術によって開発された私でも、生き物を作り出すことは現在不可能です」
二人の間を風が吹き抜け、長い髪が私の視界を遮る
ブレザーのポケットから、未來から貰ったリボンを取り出すと、長い髪を後ろで一つに束ねた
深呼吸を一つ
冷静になった今、気が付いたことだが、
先程、未來になりすましていた目の前の彼女の髪には、あの早苗色のリボンが付けられていなかった
完璧だと謳われた彼女の、最初で最後のミスだろうか
そしてもう、私の髪を束ねているそれと〝おそろい〟の物は、これをくれた彼女の消失とともに、存在しなくなってしまったのだろう
「多くの人間を消しておいて、蘇らせることは不可能だと言うのなら……
───私は、あなたを消して、全てを終わりにするわ」
私がこれからすることは、〝復讐〟というのだろうか
いずれにしろ、これはきっと、生者のエゴだ
それでも、沸き立つ静かな怒りを、鎮めることなどできなかった
「そんなわけにはいきません。
私は世界を滅亡させます。
止めることなど、不可能です」
突如、無数の黒い物体が宙へ出現した
この先に起こる出来事が、良いことであってほしいと願いながら、視界の端でそれを捉える
対峙し、綾瀬実栗へと、一歩踏み出そうとした、その時……
私も彼女も予期せぬことが起きた
彼女の背後にある校舎の角から、人影が飛び出してきたのだ
人影は、そのまま綾瀬実栗へと襲いかかった
「はい。 最先端技術によって開発された私でも、生き物を作り出すことは現在不可能です」
二人の間を風が吹き抜け、長い髪が私の視界を遮る
ブレザーのポケットから、未來から貰ったリボンを取り出すと、長い髪を後ろで一つに束ねた
深呼吸を一つ
冷静になった今、気が付いたことだが、
先程、未來になりすましていた目の前の彼女の髪には、あの早苗色のリボンが付けられていなかった
完璧だと謳われた彼女の、最初で最後のミスだろうか
そしてもう、私の髪を束ねているそれと〝おそろい〟の物は、これをくれた彼女の消失とともに、存在しなくなってしまったのだろう
「多くの人間を消しておいて、蘇らせることは不可能だと言うのなら……
───私は、あなたを消して、全てを終わりにするわ」
私がこれからすることは、〝復讐〟というのだろうか
いずれにしろ、これはきっと、生者のエゴだ
それでも、沸き立つ静かな怒りを、鎮めることなどできなかった
「そんなわけにはいきません。
私は世界を滅亡させます。
止めることなど、不可能です」
突如、無数の黒い物体が宙へ出現した
この先に起こる出来事が、良いことであってほしいと願いながら、視界の端でそれを捉える
対峙し、綾瀬実栗へと、一歩踏み出そうとした、その時……
私も彼女も予期せぬことが起きた
彼女の背後にある校舎の角から、人影が飛び出してきたのだ
人影は、そのまま綾瀬実栗へと襲いかかった