全てが終わりを告げる時
だが素早いそれは、私が手を翳し、魔法を発動させるより先に、彼の足を捕らえてしまうだろう
どうか、どうか間に合って……!
そう祈りながら、全てがゆっくりと見える中、自分の遅さをもどかしく感じたその時……
───グシャッ!
無傷の柚希に安堵しながら、音のした先───綾瀬実栗の左腕だった部品を、自身の手から払い落とす羽津摩を見た
「誰もかもが、お前本体に気を取られていると思うなよ。
取れた腕一本でさえ、注意を払っているからな」
瞬間移動によって柚希のすぐ後ろへ移動した羽津摩が、片腕を失った人工知能を睨みつけながら言った
「一部の部品を失ったことは残念ですが、この程度でしたら、全世界を破壊するのに支障はありません」
しかし、未だ冷淡な口調で、言葉とは裏腹に、少しも惜しくなかったという様子の綾瀬実栗
「この様子だと、エニスの心臓にあたる〝核〟を破壊しない限り、彼女が戦闘不可にないことはないだろうね。
僕らの体力が尽きるのも時間の問題。
早急に終わらせた方が良さそうだね」
若干の焦りを見せる慎也に、私も戦闘態勢を整えた
「……輝祈、水を作り出してもらえるかい?」
「ええ、分かったわ」
慎也の指示通り、人間一人を覆える程の水を生み出す
慎也は印を結び、術を唱えると、その水に電気を含ませ、綾瀬実栗へと飛ばした
柚希と羽津摩は、彼女と戦いながらもこちらの様子を窺っていて、水を放った瞬間、彼女から数メートル距離を置いた
どうか、どうか間に合って……!
そう祈りながら、全てがゆっくりと見える中、自分の遅さをもどかしく感じたその時……
───グシャッ!
無傷の柚希に安堵しながら、音のした先───綾瀬実栗の左腕だった部品を、自身の手から払い落とす羽津摩を見た
「誰もかもが、お前本体に気を取られていると思うなよ。
取れた腕一本でさえ、注意を払っているからな」
瞬間移動によって柚希のすぐ後ろへ移動した羽津摩が、片腕を失った人工知能を睨みつけながら言った
「一部の部品を失ったことは残念ですが、この程度でしたら、全世界を破壊するのに支障はありません」
しかし、未だ冷淡な口調で、言葉とは裏腹に、少しも惜しくなかったという様子の綾瀬実栗
「この様子だと、エニスの心臓にあたる〝核〟を破壊しない限り、彼女が戦闘不可にないことはないだろうね。
僕らの体力が尽きるのも時間の問題。
早急に終わらせた方が良さそうだね」
若干の焦りを見せる慎也に、私も戦闘態勢を整えた
「……輝祈、水を作り出してもらえるかい?」
「ええ、分かったわ」
慎也の指示通り、人間一人を覆える程の水を生み出す
慎也は印を結び、術を唱えると、その水に電気を含ませ、綾瀬実栗へと飛ばした
柚希と羽津摩は、彼女と戦いながらもこちらの様子を窺っていて、水を放った瞬間、彼女から数メートル距離を置いた