全てが終わりを告げる時
倒せなかったのか……


そう思いながら、目を閉じる


直後、激しい破壊音を轟かせながら、全てが破壊された



……一向に痛みが訪れない身体に、違和感を覚える


痛みもなく、息絶えたのだろうか


そう考えたが、それは自身に覆い被さる重みで否定された



そっと、目を開ければ、目の前は闇に包まれていた


状況が飲み込めず、身動きできずにいると、不意に、その闇が消え、光が現れた


そして横に倒れ込んだものを見て、私は目を見開いた




「───慎也っ!? どうして……」


彼からの返答はない


「慎也……? ねえ、目を覚まして! 慎也!!」


肩を揺すりながら叫べば、彼はうっすらと目を開けた



「どうして……どうして私を守ったの……」


約束したじゃない。 そう続ければ、慎也は僅かに笑みを浮かべる


「輝祈……知って、いるだろう?

僕は、人を騙すことが……好きなんだ、って……」



藍色の瞳が、次第に光を失っていく


彼の傷を癒しながら、私は悲痛な声をあげた


「嫌……嫌よ……死なないで……

お願いだから……もう誰も消えないで」


私の涙が、慎也の頬を伝う



「泣かないで、輝祈……

僕もね、先代たちと同、じ気持ちだよ……

最後に君を、守ることができ、て良かった……」


「待って……これじゃ私一人になってしまうじゃない……」


私がそう言った時には既に、慎也の目は、閉じられていた
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