全てが終わりを告げる時
未來の問いへの答えは、いつもこうだ


短く、一般的な人間が、語尾などに付けるであろう何かしらの装飾も、抑揚も殆どない


それは私の性格が、そういうサバサバしたものだからなのだが


未來の前なら、自然体でいられるのだ



中学校に入学当初、誰とも関わろうとしなかった私に


当然の如く、誰も話しかけようとしなかった



……ただ一人を除いて


彼女は周りの人間に、見せつけるかのように


〝私、伊勢崎未來!! よろしくねっ!〟


大声で話しかけてきた


初めは、こんな人間に話しかけて


何かに利用しようとしているのかと思ったが


未來にはそういった、下心のようなものが、全くと言っていいほど存在しない


否、完全に存在しない


単純と言うべきか、素直と言うべきか


それからは、周りの人間も少しずつ、私に話しかけるようになっていった


ありのままの私を見て、話しかけてくれた


受け入れてくれた


だから私は、自然体で未來と話をし


時折、本当の笑顔も見せる



〝あの事〟を除けば、何でも話して良いとさえ思っている
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