全てが終わりを告げる時
一度欲しいと思った物は、誰が止めても諦めず、そして必ずと言っていい程に手に入れてしまう、頑固な柚希が


それに、〝止めてあげないと〟?


という事はつまり……


「全部、仕組まれていた事なのね?」


「ご名答」


「ごめんね、輝祈!


でも、輝祈が全然来てくれなかったから、僕らすごく寂しかったんだよ?


そしたら、路地を通る輝祈の気配を感じたから、慎也と話して、ちょっと虐めてあげようってなって♪」



「はぁ……」


今日一日で、一体何度、溜め息を吐くのだろう


「私も悪かったわ。 本当にごめんなさい」


「うん! じゃあこれからは、たくさん来てね?」


「...ええ」



ニコニコと嬉しそうに笑っている柚希と


呆れ半分、申し訳なさ半分で気まずい私


この状態をどうにかしてほしい、と慎也を藁をもすがる思いで見つめると、それに気付き


「……そろそろ本題に入ろうか」


慎也がそう切り出した



部屋の中央に設置されている、少し大きめの長方形の机を囲むように、三人で周りの椅子に座った


先程まで笑顔だった柚希も、真剣な顔つきになり、部屋の中を静寂が包んでいた


その静寂を壊すように、私は静かに話し始めた
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