全てが終わりを告げる時
「そして彼女が来てから、色々なことが変わったの

一つ目は───」


それから全てを、二人に話した


学校の変化や私の疑問など


そして、私が初めて人間に恐怖心を抱いたことも


本当に、全て───



二人は最後まで、口を挟むことなく、静かに聞いていた



話し終えてから二人を見ると


一度緊張の糸を解くようにふう、と息を吐き、そして再び表情を引き締めた


そして始めに口を開いたのは、柚希だった


「……輝祈のその恐怖心ってさ、ただ単にその子が苦手なだけの、嫌悪感とは違うんだよね?」


「ええ。 そうだと思うけれど……」


「〝けれど〟ってことは、確証は無いっていうこと?」


「……よく分からない


どちらも今まで、感じたこと無いから...」


そう。 正直言うと自分でもよく分からない


必要最低限、普通の人間とは話さなかったし、
私達と関係がある人間は、厳しかったりもしたけれど、全員良い人ばかりだった


だから私は、こんな感情を抱いた事は無いのだ


「それがただの苦手意識だけならいいけど……


分かっているだろうけど、恐怖心という確証が無いならば、僕達はその子を調べることも見張ることもできない


たとえ綾瀬実栗という少女が、妖怪や幽霊、もしくは……



...エ二スだとしても」
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