全てが終わりを告げる時
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数週間前から、テレビや新聞、雑誌などのマスメディアで話題になっているエ二スは


現在、幾つかの不具合が発覚したため、研究所内で改良にあたっている



……というのが、公に広まっている話


しかし実際、こんな生易しい現状なんかではない


日本は……地球は……とんでもない危機に晒されているのだ



数日前……そう、丁度あの少女──綾瀬実栗が転校してくる前日に、慎也からある連絡が入った


それは誰しもが一瞬、自身の耳を疑ってしまうだろうものだった


〝──エ二スが行方不明になった〟


これは現実なのか。 夢ではないのか、と思ってしまうほどの衝撃に襲われ、慎也に暫く言葉を返すことができなかった



人工知能を持つならば、そのくらいの事は起こるだろう、と研究所の人間達も想定していた


彼らは伊達に、日々、努力を惜しむ事無く、研究を積み重ねているわけではない


もし敵に回したら、とんでもなく恐ろしい努力の結晶──エ二スを、あっさり逃がしてしまう馬鹿ではない



しかしエ二スは、研究所の人間達の想定を大幅に上回るほどの知能を、いつの間にか得てしまっていたのだった
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