全てが終わりを告げる時
『私たちはこれから……


自身の命と引き換えに、人間の歪んだ心と魔女狩りを、終わらせる』


『っ!? そんなっ……

っどうしてお父様とお母様が、犠牲になる必要があるの!?』


叫ぶ私に、お父様は苦しげな表情で続けた


『実は、輝祈にまだ教えていなかったことがある

……私たち三人を除いた魔法使いは、もう皆……いなくなってしまったんだ』


『それって……』


まさか……


『教会の人間たちに、殺されてしまったんだ』



私たち以外の魔法使いに会ったのは、数回だけ、しかも、私がまだ物心ついたばかりの頃だった


けれど、皆強くて、優しかったことは今も覚えている


そんな人たちが、魔法使いがいなくなってしまった



この世界に残っている魔法使いが、私たち三人だけの今

お父様とお母様までいなくなってしまったら、私は……


『っ……それなら、私も一緒に行く!』


お願いだから、私を……


『お父様とお母様の力になる!』


一人に、しないで……


『お勉強も頑張って、魔力のコントロールもできるようになった。

だからっ……!『駄目だ!!』


お父様の怒鳴り声が空気を震わせた


『お前はまだ未熟だ。

魔力のコントロールはできても、威力が私たちより遥かにないだろう。

力になど、なれるわけない』
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