全てが終わりを告げる時
その言葉たちが私の胸を刺した


心がズキズキと痛む


それが、事実であることに。 お父様からの言葉であることに……


『あなたっ、いくらなんでも、そこまで酷いことを……』


お母様が止めに入ろうとして、お父様にそう声をかけた


しかし、お母様の言葉が、最後まで紡がれることはなかった


お父様の顔を見て、固まった


お父様の頬に、いつの間にか伝っていた涙を見て、息を呑んだ



『……力になど……なっては、いけないんだ……』


愛情の裏返し


その真実が、私の心を更に痛ませた



『すまない、輝祈。

これから起こることは、お前を傷つけることになるだろう。

だが、それを受け止め、お前に生きていてほしいんだ。


雛桜家の───魔法使いの、最後の希望となるお前に』


『お父様……』


両親は膝を折ると、私を強く抱きしめた


最後となるだろう、両親のぬくもり


いつまでも忘れずにいられるように、私も目一杯に腕を広げ、両親のその背を精一杯抱きしめた



『輝祈。 私たちは以前、お前の未来を見たことがあるんだ』


二人の腕の中。 唐突にお父様が告げた内容は、〝予知能力によって私の未来を見た〟というものだった
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