全てが終わりを告げる時
いつも通り学校へ行くと


「おっはよー!輝祈!」


これまたいつものように挨拶をされた


「おはよう、未來」


挨拶をしてきた彼女は伊勢崎未來(イセサキ ミク)


そして私は雛桜輝祈(ヒナザクラ キキ)


普通の高校に通う、普通の女子高生


……あくまでも未來はそうだ



今日もいつものようなことばかりなのかと思うと、溜め息が漏れた


「溜め息吐くと幸せが逃げちゃうんだよー?」


溜め息を聞いていたらしい未來が私に注意してくる


「あー、ごめん」


と適当に受け流す私に、未来は少し頬を膨らませていたが、

それを気にせず、窓の外を眺めた


四角く縁取られた外の世界


ここは三階の教室で


下に広がる、茶色いグラウンドでは、運動系の部活動が、それぞれ朝練を行っており


上に広がる、真っ青な空とゆっくり流れる白い雲は、いつものように春らしい穏やかさを感じさせていた


その景色を暫く、何を考えるわけでもなく、ただただ見つめていると


教室から、ギリギリ見える空の端に、何やら黒い物が漂っていた


「っ!?」


驚いて、机をガタッと揺らしてしまい


「どうしたの!?」


未來が大声をあげ、周囲の人々の視線が一気に、こちらへ集まった
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