全てが終わりを告げる時
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「ねえ知ってる?

隣のクラスに、すっごいイケメンな転校生が来たんだってー!!」


「もちろん知ってるよ!

私さっき廊下で顔見たんだけど、なんかもう〝The 王子様〟って感じで、超カッコ良かった!」


「なんでも、入学して約2時間でファンクラブが作られて、その1時間後には会員が100人を軽く上回ったとか」


「きゃー! まぢで!? やばっ!

早く見たい見たい!!

今日のお昼休み、隣のクラス行こー!」



今までとは対照的に、今度は女子が色めき立つ


授業の合間の休み時間、一人、自分の席で空を見上げながら、噂好きな女子生徒達の会話を聞いていた



転校生、か……


世界が危機に晒されているにも関わらず、それを知らない人間達は、本当に呑気だ


〝The 王子様〟


その単語に少し引っかかった


いや……気のせいだろう


彼がここに来る理由は、無いはずなのだから


王子様、なんて例え方は、きっと今の学生にとって在りきたりなのだ



そうして、浮かび上がった一人の人間を、すぐに脳内から追い払った



まさか、私の勘が的中するとは、思いもせずに……



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昼休み、丁度、昼食を食べ終えた私の元へ、とある人から電話があった
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