全てが終わりを告げる時
『学校の裏門に来てほしい』


電話の向こうの相手は、そう一言告げると、すぐにプツリッと通話を終了させた


そんなに急用なのだろうか


一緒に昼食を食べていた未來に、用事がある、と告げると、私はすぐに裏門へと向かった



そして、辿り着いた先───人気のない裏門の前で、私は驚きのあまり、忙しなく動いていた足をピタリと止めた


急に止まったため、前のめりだった姿勢のせいで危うく転びそうになったが、なんとか持ちこたえる


そして、少し息を整えると、目の前に立つ彼に言った



「…………

どうして慎也が、私の学校の制服を着ているの」


目の前の彼───慎也が、ニコリを笑いかけてくる


「僕もこの学校に入学することにしたんだよ」


「どうして?

だってあなたは、とっくに高校の勉強なんて終わらせているじゃない」


そう、慎也はアメリカの飛び級制度によって、僅か2年間───16歳にして、某名門大学を卒業しているのだ


故に彼は、この若さにして、常にあの家にいる……否、いた


「ああ、そうだよ

でも、今度は日本語で学ぼうかなと思っ……」

「ふざけないで

冗談は結構よ。 本当の理由を話しなさい」


「ははっ、ごめん

ジョークはここまでだから」


そう言った慎也は笑みをサッと消し、表情を引き締めた
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