全てが終わりを告げる時
「本当の理由はね、

僕も、この学校の警備───いや、綾瀬実栗の監視をするからだよ」


告げられた内容に目を見開く



「……私一人では、力不足だというの?

……私は、不甲斐ないというの!?」


気付けば、叫んでいた


「違う、輝祈は十分強いよ」


慎也が静かに否定する


「ただこれは、輝祈を守るためでもあるんだ

僕達を知る、警視総監と自衛隊長が決定したことだよ

勿論、僕の意志でもあるし、柚希の願いでもある

拒否権は無い」



〝守る〟なんて、言わないで……



『誰にも守られることなく、逆に誰かを守れるように』


そう心の中で、ずっと誓ってきた


けれど、言葉遣いや能力などは、意味を成さなくて


『輝祈を、皆を、何があっても守る』


そう、何度も言われた


そして、私と関わった人間は……私を守ると言った人間は───

皆、戦いの中で亡くなっていった


戦いの最中、私を守るために、自らの命を投げ出した



こうして、警視総監や自衛隊長に言われるのは初めてで


今まで積み上げてきたものが、全て崩れていくようだった


進む先が、真っ暗になったようだった


誰もが、その命を落とす


暗に、そう告げられているようだった



「……ねぇ、慎也……」


発した声は、とてもか細いものだった
< 64 / 133 >

この作品をシェア

pagetop