全てが終わりを告げる時
〝力〟を持つ者以外から……
つまり、この男は何かしらの術者なのだろう
姿が見える理由は判明した
しかし、何故、お父様とお母様を覚えているのか
あの文献には確かに、記憶から削除されると記されていたというのに……
「……君が得ているその情報は、もしかして、とある文献に記載されていたものではないかい?」
「そう、だけど……」
「なるほど。 実はね、あの文献は初期の物、つまり、少々古いんだよ。
だから、当時に解明されていなかったものは仮説として記されているし、間違いも含まれているんだ。
正しくは、『人間の記憶から削除される。但し、深く関わった人間を除いて』なんだよ」
「深く関わった……人間……」
私が繰り返すと、男はにこやかに頷く
「そう。 つまり、雛桜家と僕の家系は、深い関わりを持っているのさ」
そう口にした後、一度空を見上げた男
「そろそろ日が落ちる頃だね
ここにいては冷えるだろうし、詳しい説明をすることも兼ねて、僕の家へ行こう」
お父様とお母様を覚えていたことから、男が嘘をついていないことは分かる
こくりと頷くと、涙を拭い、立ち上がった
「……あ、そうそう、まだ名乗っていなかったね。
僕は王寺暁人(アキヒト)。 暁に人で、暁人だ。
よろしく頼むよ」
それが、私と王寺家の出会いだった
つまり、この男は何かしらの術者なのだろう
姿が見える理由は判明した
しかし、何故、お父様とお母様を覚えているのか
あの文献には確かに、記憶から削除されると記されていたというのに……
「……君が得ているその情報は、もしかして、とある文献に記載されていたものではないかい?」
「そう、だけど……」
「なるほど。 実はね、あの文献は初期の物、つまり、少々古いんだよ。
だから、当時に解明されていなかったものは仮説として記されているし、間違いも含まれているんだ。
正しくは、『人間の記憶から削除される。但し、深く関わった人間を除いて』なんだよ」
「深く関わった……人間……」
私が繰り返すと、男はにこやかに頷く
「そう。 つまり、雛桜家と僕の家系は、深い関わりを持っているのさ」
そう口にした後、一度空を見上げた男
「そろそろ日が落ちる頃だね
ここにいては冷えるだろうし、詳しい説明をすることも兼ねて、僕の家へ行こう」
お父様とお母様を覚えていたことから、男が嘘をついていないことは分かる
こくりと頷くと、涙を拭い、立ち上がった
「……あ、そうそう、まだ名乗っていなかったね。
僕は王寺暁人(アキヒト)。 暁に人で、暁人だ。
よろしく頼むよ」
それが、私と王寺家の出会いだった