全てが終わりを告げる時
アキの死をきっかけに、痛感した


大人ぶった言葉遣いも、所詮は幼い子どもの付け焼き刃でしかないのだと



そして、生まれつき病弱だったアキの息子が亡くなる時、彼は再び私に告げた


「輝祈を命に変えても守ることが、お父さんの意志であり、そして運命だったんだ。

人の人生は、全てが思い通りになることなんてなくて、運命は時に、人を犠牲にし、絶望の闇へと突き落とすものだから。

いつかこうして尽きてしまう命を、最後に誰かのために使えたのなら、きっと、それほどまでに幸せなことは無いと僕は思うよ。

僕はお父さんの息子だから、きっとお父さんも同じ思いだったに違いない。

大丈夫。 輝祈が気に病むことなんか……ないん、だ……ょ……」



それから私は、王寺家の世代が何代も代わる様を、傍で見続けてきた


何年も……何十年も、何百年も───



そしてその中で、何人もが、私を守るために命を落とした


その度に、お母様を真似たこの言葉遣いも、修行を重ねて強力になった〝力〟も、所詮は自分を守れる鎧にはならず、意味などないものだと思い知った


まるで、私を守るために命を落とすことが、王寺家の呪いであるかのようだと、思わずにはいられなかった



どんなに時が経ち、幕府や政府などの国家機関に、この組織の周囲が固められても、言葉遣いは戻さず、修行もし続けた
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