全てが終わりを告げる時
「す、すまな……」


「───倉渕羽津摩……生徒会長よ。

編入してまだ数日とはいえ、生徒会長くらいは知っておきなさい」


今度は私が、倉渕羽津摩の言葉を遮った



「それで、ここからが本題だけれど、

どうやら彼は、〝覚醒〟したみたいなの」


「へぇ、それは珍しい。

それで? 彼に組織の説明は?」


「まだしていないわ」


「了解。 倉渕会長、でしたっけ?

このあと何かご予定は?」


「え……あ、いや、特には無いが……?」


「よし、じゃあ、〝下〟でゆっくり話そうか。

会長、ついてきて下さい」



カウンターの中へ入り、三人で家の奥へと、連なって進んでいく


黒い戸の部屋へと入ると、慎也はいつものように、何重にも付けられた鍵を全てかけた


驚く倉渕羽津摩には構いもせず、目の前のエレベーターへと乗り込む


三人目が乗り込んだことを確認すると、慎也は細長い指の先で〝地下1〟と書かれたボタンを押した


体が一瞬浮遊感を感じ、エレベーターがゆっくりと動き出す


独特な機械音を少しの間聞いた後、ポーンという音が、目的地への到着を知らせた



ゆっくりと重く頑丈そうな扉が開けば


「いらっしゃい、輝祈!

それと、新しい人も!」


ひまわりのような笑みを浮かべた柚希が、私たちを迎えた
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