全てが終わりを告げる時
四人で長方形のテーブルを挟んで座る


「じゃあまず、自己紹介をしておこうか。

僕は王寺慎也、知っての通り」


「雛桜輝祈、知っての通り」


「八重瀬柚希っ! 知ってのと……じゃなかったね。

それで、新しい人っ、君の名前は?」


初対面の倉渕羽津摩の方を見て、首を傾げる柚希


その瞳は爛々と輝いており、いかにも興味津々だ



「く、倉渕羽津摩だ」


状況が未だ飲み込めていないためか、それとも柚希に気圧されてか


倉渕羽津摩は吃りながらも名を名乗り、全員の自己紹介が終わった



「よし、それじゃあ、これからの説明は僕が務めさせてもらおう。

まどろっこしいから、敬語は無しだよ」


一同を見回してから、倉渕羽津摩へと視線を戻し、慎也が話し始める


「はじめに、この組織について。

この組織は、財力や筋力ではない〝力〟を持つ者によって、結成されているんだ」


「財力や筋力ではない……力?」


「そう。 例を挙げるとすれば、超能力や魔力、霊力、そして時には、妖力も含まれる。

つまり、言うまでもなく、僕ら三人は〝力〟を持っているんだ。

輝祈は魔法使いとして魔力を。僕は陰陽師として霊力を。 柚希は狗神として妖力を、それぞれが、ね」


紹介とともに、私と柚希へ視線を向ける


「初期の頃は、王寺家と雛桜家のみの組織だったらしいけど、時が流れるにつれて方針も変化していった。

そうだろう? 輝祈」


「ええ」
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