全てが終わりを告げる時
再び部屋の中央にテーブルが置かれ、四人は席へ着く



「まったく……あなたたちのせいで、2分は無駄にしたわ」


「ははっ、ごめん。

つい夢中になってしまったよ」


「すまない……だが、2分も経っていなくな……」


「勿論、説教の時間も含めて、よ」


倉渕羽津摩の質問が終わる前にそう答えれば、彼はバツが悪そうに目線を下げ、頬を掻いた


はぁ、と溜め息を一つ吐く


と、柚希がこちらを向いて、尋ねてきた


「ねえねえ輝祈っ。

さっきの破裂って、どうやったの??」


「ああ、簡単なことよ。

風船内を〝空間支配〟して、気圧を上げたの」



そう答えれば、柚希は目を見開き


「簡単なこと、なのかな……?」


慎也へ同意を求める



「いや……うん、まあ……

動いている物体の空間支配は、難しいと聞くけど、輝祈にとっては、簡単なんだと思うよ」


慎也は言いながら、苦笑を返した



「───それはともかく、慎也。

熱中していたにしろ、テストはできたのよね?」


私が問えば、慎也は満足そうに頷く


「ああ、もちろんさ。

集中していたおかげで、しっかりとデータが取れたよ」


倉渕羽津摩の方へ視線を向けながら、慎也は話し出す



「先ず、輝祈と柚希も見ていたように、速さは十分にある

これは、かなりの戦力になると思うよ」


それを聞いて、倉渕羽津摩は、当たり前だとでも言うように天狗になる
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