あの時手が伸ばせたなら。
出会い。
Side美月
窓から漏れる朝日の光に照らされる。
「ん……もう朝…?」
あたしはベッドから体を出して起き上がった。
そして薄いピンク色のカーテンを開ける。
「今日もいい天気……」
目を細めて外を見ると、あたしは制服に着替えて1階のリビングに行く。
「おはよう、おかーさん」
「美月、今日も早いのね。朝練あるの?」
「うん」
あたし、高森 美月(たかもり みづき)は高校2年生の17歳。
お父さんは私がまだ3歳の時に交通事故で亡くなって、お母さん、あたし、そして愛犬のトイプードル、ミミと暮らしている。
あたしの成績は自分で言うのもなんだけどまあまあ良くて、吹奏楽部に所属している。
今日は吹部朝練があったので早起きした。
かるーくストレッチをして、体をほぐす。
そして、ゆっくり腹式呼吸。
「よし」
「毎日よくやるわねぇ〜」
お母さんはそんなあたしを見てよく呆れるけど、こうでもしないと体が目を覚ましてくれない。
これがおわってから、やっと朝ごはんだ。
ごく普通なご飯とみそ汁をたいらげ、すぐに家を出た。