君を愛さずには いられない
あの頃週末は決まってユリの部屋にいた。

「明日中に香港に入るわ。帰りは木曜の夜よ。4日間不在になるからあとを頼むわ。」

ユリは単独で海外出張をこなした。

その間俺は社内で彼女の留守を任されていた。

「承知しました。」

彼女は俺の返事にクスッと笑った。

「仁、ベッドでは敬語を使わなくてもいいわ。」

「わかった。」

「もう一度いい?」

ユリが相手なら俺はエンドレスでできた。

何度体を重ねようと飽きなかった。

翌日曜の昼過ぎに羽田まで彼女を見送り

週明けから水曜まで俺は順調に仕事をこなした。

トラブルは木曜にやってきた。

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