君を愛さずには いられない
β.オフィス「パレット」
河村志穂は目指すビルのエントランスに入り
エレベーターで5階へ上がった。
降りると目の前に両開きのガラス戸があり
手前に引いたら思ったより重く
グイッと弾みをつけて開けた。
中に入り受付への内線電話が置いてあるデスクまで歩いた。
『ご用の方は受話器を取り赤いマークのボタンを押していただければ係りがまいります。』
と注意書きが壁に貼ってあった。
会社を訪問するとどこでも必ずこのような無人の受付になっていた。
電話でなくモニターを設置している会社もあった。
志穂は慣れた手つきで受話器を取って耳に当て
赤いマークがついたボタンを押した。
どこかで電話が鳴り誰かが受話器を取る気配を感じた。
「パレット・ルビ・カンパニー受付でございます。」
志穂はその受付という言葉を何回聞いたことかといぶかり
通話口に向かってしゃべった。
「河村と申します。9時からの面接に参りました。」
「お掛けになってお待ちください。」
「はい。」
受話器を静かに置いてそばにある椅子に腰かけて待つと
すぐに奥から若い男性が一人出てきた。
エレベーターで5階へ上がった。
降りると目の前に両開きのガラス戸があり
手前に引いたら思ったより重く
グイッと弾みをつけて開けた。
中に入り受付への内線電話が置いてあるデスクまで歩いた。
『ご用の方は受話器を取り赤いマークのボタンを押していただければ係りがまいります。』
と注意書きが壁に貼ってあった。
会社を訪問するとどこでも必ずこのような無人の受付になっていた。
電話でなくモニターを設置している会社もあった。
志穂は慣れた手つきで受話器を取って耳に当て
赤いマークがついたボタンを押した。
どこかで電話が鳴り誰かが受話器を取る気配を感じた。
「パレット・ルビ・カンパニー受付でございます。」
志穂はその受付という言葉を何回聞いたことかといぶかり
通話口に向かってしゃべった。
「河村と申します。9時からの面接に参りました。」
「お掛けになってお待ちください。」
「はい。」
受話器を静かに置いてそばにある椅子に腰かけて待つと
すぐに奥から若い男性が一人出てきた。