君を愛さずには いられない
ランチの後

河村の父親は2階の書斎で

残りの仕事を片付けたいと中座した。

母親のミランダはキッチンで

ディナーの準備に張り切っていた。

俺と河村は外に出て芝の上を歩き

森の手前にある湖に向かった。

「佐竹さん。」

二人で歩くたびにサクサクと芝を踏む足音がした。

「パパの話が長くて退屈しませんでしたか?」

「いや、興味深く聞けた。さすがはプロだ。」

「良かった。」

「ミランダの料理も最高だった。ディナーも楽しみだ。」

「本当?」

「ああ。」

「そんな風に言ってもらえて嬉しいです。いつもはママンの友達ばかりなのでつまらなくて。でも今日は私の友達がたくさん来るんです。皆に佐竹さんを紹介しますね。」

俺はイヤな予感がした。

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