君と出会えて

『ぜつごめんな。』

『また傍にいれそうに……ねぇかも……』小さくはかれる声
今にも消えてしまいそうな弱々しい声
『兄貴……。』

『桃華……』
秀が私の名前を呼んで震える手で私の頬に手をおく

私はその手に自分の手を重ねる

『笑って……』

「そんなことできるわけない……」

『お願い……俺は……も…もかの…笑ってる顔に……ほ、れたんだよ』

「けど……」

『……お、願い』
私は涙を必死にこらえて秀に笑顔を向ける

『ハハ。やっぱり……笑った……か、おが…1、番だな……』

『約束、守れ……なくて……ご、めん』
そう言うと秀の手が私の頬から落ちていく


「……秀起きてよ。ねぇってば」
体を揺さぶっても起きない

「いやだよ。ねぇ秀……」
約束したじゃん。どうして、ねぇ秀。

「……いやーーー!!!秀……」
そしてそこで私の意識は途切れた
< 232 / 303 >

この作品をシェア

pagetop