遥か彼方に永遠を求めて
平和な日々に訪れる者

「おい!この状況どーすんだよ!?俺たち完全に囲まれてるぞ!」

「んー、まぁ僕たちなら大丈夫ー」

「楽勝だろー」

「おまえら、相変わらず軽いなぁ…。まぁ、俺らなら大丈夫か」

「うん!そうだよ!
じゃあそろそろあいつらを倒しに行こうか!」

『おう!!』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「あーあ、毎日同じ事の繰り返しか...つまんねーなぁ…」

俺、瀬那 遼(せな はるか)は雪華高校に通う普通の高校生....のはずだったのだが、突然来たあいつのせいで生活が一変するなんて、この時の俺は知るよしもない。
ただ同じことを繰り返すだけの毎日に飽き飽きしていた。
隣にいるのは同じクラスの葉月 奏汰(はづき かなた)。
こいつとは小学校以来の付き合いだ。
ちなみに、奏汰もあいつに巻き込まれることになる。

「まーた、そんなこと言ってんのかよ。毎日平和に暮らせてるだけいいと思うぜ?りょーちゃん?」
奏汰がにやりと笑う。

「なっ!誰がりょうだっ。おまえいーかげんその呼び方やめろよ。俺ははるかだって言ってるだろ!」

俺はあからさまに嫌そうな顔をした。

「あーはいはい笑 そんなピリピリすんなよ笑 りょー…っつ!いってぇ…」

再びりょうと言いかけた奏汰の腹に、俺はパンチをお見舞いする。

「だからりょうじゃねぇって」

「ごめんって、ていうかいきなり殴るなよー」

奏汰は腹を押さえながら言う。

「お前がりょーって呼ぶから悪いっ……って..ん?」


?「うわぁぁぁぁぁああ!!」


悪びれる様子もない奏汰に、再びつっかかろうとした時、どこからともなく声が聞こえた。
そしてその声は、だんだんと俺らに近づいてくる。

「なんだこの声...?なんか上の方から聞こえて...うわぁぁぁ!!」

空を指さし奏汰が叫ぶ。

「どうした!?...ってうわぁっ!!」

奏汰につられて上を見ると、人らしきものが俺らに向かって真っ直ぐに落ちてくる。

?「2人ともどいてーっ!!」

「ちょ、おい!こっち来んなって!!」

「やばいだろ!どーすんだよ?!」

どんどん迫ってくるそいつに、避けることも忘れ、ただテンパることしかできなかった。

?「あぶなーいっ!!!」

『わぁぁあ!!!』

死を覚悟し、俺と奏汰は同時に目を瞑る。

フワッ...ザッ…

しかし、襲ってきたのは軽い風と少しの砂埃。
そして、何かが軽やかに着地する音が聞こえた。

「…ん?」

恐る恐る開けた目に飛び込んできたのは、上から落ちてきた人物であろう綺麗なクリーム色の髪を持つ少年が、無傷で立っているというありえない光景だった。

見たところ、俺らと同い年か年下くらいだ

?「あぁー、楽しかったぁ。」

そいつは無邪気な笑顔を見せる。

『…えぇ!?』

「お、おまえ..生きてる…よな?」

「う、上から落ちて…きてー…?」

少年とは裏腹に、俺と奏汰は状況が飲み込めず固まっていた。

?「あ、ごめんねー。
僕、止まれるんだけどさ、上から人が落ちてきたらどんな反応するかなー?って思って、ちょっと遊んじゃった☆ 2人とも面白かったよ?」

空から落ちてきたそいつは、楽しそうに笑っている。
止まれるってどういうことだよ??
意味のわからない説明に、俺らの頭は更に混乱する羽目になった。





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