クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
「……そんなのまだわからないよ」

永遠の説教にうんざりしながら頭を振る。

「今日、仕事が終わったら荷物まとめて。杏の実家に帰るか、俺のマンションに来るか、どっちにする?」

実家に帰るなんて絶対ありえない。

それに、永遠のマンションなんて住めるわけないでしょう!

勝手に決めないでよ!

「どっちも無理!だいたい、永遠は私の父親でも兄でもない。私に指図しないで!着替えるから出てってよ!」

私はギュッと拳を握りながら声を荒げた。

「そう?わかった。勝手にすれば」

永遠の顔は能面のように無表情だった。

彼はベッドから立ち上がると、私と目を合わせることなく私の部屋を後にする。

胸がチクッと痛んで涙が込み上げてきたけど、これでいいんだと自分を納得させた。
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