クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜

私は笑顔を作ってにっこり微笑んだ。

どうか上手く笑えていますように。

「俺はいいんですけど、本多さんが凄く心配してましたよ。あんな本多さん初めて見ました。いつもポーカーフェイスなのに、倒れた杏ちゃん抱えて取り乱してて」

永遠が取り乱した？

いや……多分坂田君が大袈裟に言ってるだけだろう。

目の前で人が倒れれば誰だって驚く。永遠が取り乱すなんてあり得ないし、私は見たことない。

それにしても……坂田君にも見られたの？

ひょっとして部の全員が私が倒れたの知ってる？

「ウェットティッシュをここに取りに来たらそんな状況で、織田さんもたまたま仕事の電話があって戻ってきて、タクシー呼んで織田さんと本多さんが杏ちゃんを送って行ったんですよ」

「私が倒れたの……他の人も知ってたりする？」

私は坂田君に恐る恐る聞いてみる。