クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
突然思い出したように織田さんはそう言って、私の頭をクシュッと撫でると、自分の席に座って仕事を始める。

『メンドーな奴』って誰?

そう聞いても織田さんのことだ。後でわかるとか言って教えてくれないんだろうな。

来週の火曜日が展示会だったためか、ランチの時間になっても永遠と坂田君は実験室に籠ったまま。

織田さんに頼まれて実験室にお弁当を差し入れたけど、みんな忙しそうにしていて「お弁当、置いておきます。食べて下さい」と遠慮がちに声をかけて出てきた。

午後も永遠達の姿を見かけることなく定時を迎える。

夜も何か差し入れした方がいいのだろうか?

でも、特に織田さんから指示がないし、でしゃばり過ぎかな?

柳田さんに相談してみようと電話の受話器を持ち上げると、入り口の方が騒がしくなってよく知った声が耳に届いた。

「この声は……」

声に驚いて入り口の方に目を向ければ、そこにはシリウスの専務である永遠の兄、湊さんがいた。
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