クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
「自分で和久井さんの異動決めたくせに何言ってんですか?」

永遠は全て知ってたんだ。

そうだよね。彼なら私の異動が発表された時点ですぐに気づくだろう。

「あっ、やっぱりバレてた?」

あちゃーっと湊さんがわざとらしく呟く。

「あなたの企みなん全てお見通しですよ。もうこれ以上勝手なことしないで下さい。振り回される方はいい迷惑です」

『いい迷惑』……か。

永遠は湊さんに言っているのに自分に言われてるような気がして、胸がチクッと痛む。

「もう永遠ったらそんなつれないこと言ってさあ。お兄ちゃんとしては心配なの。みんなに幸せになって欲しいんだよ」

いつもおちゃらけている湊さんが真剣な眼差しで永遠を見る。

「余計なお世話です。人のことより自分の心配したらどうです?」

永遠の素っ気ない態度に湊さんの声はトーンダウンした。

「まあ、そうなんだけど……」
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