クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜

「……じゃあ、私の家族のことも知ってるんですか？」

「まあね。杏ちゃんのお姉さんとは顔見知りで、湊と一緒に三人で食事をしたこともある」

お姉ちゃんを知ってるんだ。でも、会社で黙っててくれたのは有り難い。

あんな完璧な人の妹だって周りに知れたら自分が惨めになる。

「そんな暗い顔しないで。僕はお姉さんのファンでもないし。杏ちゃんの方が可愛いと思うよ」

ホント、この人には嘘つけないな。

表情から心を読まれる。

「そんな慰め……いいですよ」

「慰めじゃなくて、本当にそうなんだ。お姉さんは湊や僕に似てて……同族嫌悪ってやつかな。友人にするにはいいけど、恋愛対象にはならないんだよね。杏ちゃんはもっと自分に自信を持った方がいいよ」

「自信ですか。……私に一番縁のない言葉かも」