クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
「いや……そんなのいいですよ。これ以上ご迷惑をおかけするには……」

私は右手を左右に振って断るが、織田さんは聞く耳持たなかった。

「普通なら上司らしくタクシー呼んで帰すとこだよ。黙って送られなさい」

「でも……」

「この辺公園とかあるでしょ?最近、痴漢が出るって噂もあるし、念のためだよ」

そう言われて、織田さんと一緒に話をしながら歩いて帰る。

カフェから五分程歩いて寮に着くと、私は目の前のボロい建物を指差した。

「あの……織田さん、ここです」

「え?ここなの?まさか一階じゃないよね?」

織田さんが声を上げ、目を見開く。

予想通りの反応。既に永遠ので経験済みだ。

「……そのまさかです」

「ここって確か八月に取り壊しになるはず……。あのバカ、目論見はわかるけど、手段を選べよ」
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