クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
ハーッと深い溜め息が出てしまうのは仕方がない。

今日の帰りに駅の周辺にある不動産屋さんに行ってみよう。

「さあ、集中、集中」

自分に活を入れて仕事に集中する。

午後は永遠や織田さんを含めうちの部の三分の一近い人数の研究員さんが明日の展示会の準備のため有明に行ってしまい、人はまばら。

ひとり黙々と仕事をして、電話以外では誰とも話すことなく業務を終える。

研究所を出てすぐに最寄り駅の不動産屋を二軒回ったが、いい物件は残念なことに見つからなかった。

不動産屋さん曰く、『時期が悪い』らしい。

ここ国立は大学が何校か集まっている学生の街。

四月にいい物件なんて転がっていない。

二階でロフト付があったらいいなって思ってたけど、すぐに見つかる程世の中甘くはなかった。
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