クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
「この野郎!」

顔を歪ませながら男は唇を噛み締めた。

「もうゲームオーバーだ。諦めろ」

周囲の空気をも凍りつかせるような殺気に満ちた永遠の声。

永遠が絶対零度の眼差しで男を睨み付けると、男は怯んだ。

これで……本当に助かったの?

遠くでパトカーのサイレンの音が聞こえる。

その音がだんだん近づいて来るのを、私は呆然としたまま聞いていた。

部屋の中は酷い有り様だった。

洋服や下着やカードが散乱し、畳を埋め尽くしている。

もうメチャクチャだ。

下着を見られて恥ずかしいとか、通帳が無事かとかいう考えはなくて……全てが他人事のように感じていた。

呆然自失の私。

永遠はネクタイを外すと、男に近づき、身動きできないように男の手をネクタイで縛り上げた。
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