クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
「……怖かった」

もし、不動産屋さんに寄らずに真っ直ぐ家に帰っていたら、永遠達が来る前に殺されていたかもしれない。

今こうして永遠に会えたのは、たまたま運が良かっただけ。

「……殺されて……もう永遠にも会えないかと思った」

「……無事で良かった。……間に合って本当に良かった」

いつも冷静沈着な永遠の声が微かに震えている。

空き巣にも落ち着いて対処していたのに……。

彼も私と同じで怖かったんだ。

「ドアの前に落ちてるバッグやリンゴ見た時は、もう駄目かと思った。杏を……失ったって思った」

私を抱き締める腕に永遠が力を込める。

それからどれくらい抱き合っていたのだろう。

五分?それとも十分?

お巡りさんが四人、パトカー二台でやって来て、織田さんがすぐに男を引き渡し、大まかに経緯を話した。
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