クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
腕組みしながら織田さんが上司らしく坂田君を注意する。

坂田君の机に目を向けると、確かに雑誌やノート、ファイルが乱雑に積み上げられていて、いつ崩れてもおかしくない状態。

「これはこれで探しやすいんですよ。俺、ちゃんとどこに何があるのか記憶してますから」

坂田君が自慢顔で言うと、織田さんは呆れ顔でやれやれと頭を振った。

「整理整頓が出来ない男は、女の子に嫌われるよ」

「え?そうなんですか?杏ちゃんも整理整頓出来る男がいい?」

……あなたも“杏ちゃん”ですか?

ここでは女の子は“ちゃん”付けの文化なのだろうか?

頬をピクピクさせながらも、私は当たり障りのない答えを口にする。

「机がちゃんと片付いてる人って素敵だと思いますよ。ほら、例えば私の隣の人の机みたいに」

埃ひとつない整頓された綺麗な机。ファイルや本は番号順に並んでいて見ていて気持ちがいい。
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