クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
隣の机に視線を向けると、織田さんは納得顔で頷いた。

「ああ、本多は完璧主義だからね。坂田も本多を見習いな」

『本多』?

その名前を聞いて私の身体は石化した。

ここの部署に配属が決まった時から会う覚悟はしていた。でも、よりにもよって隣の席だなんて……。

「……杏ちゃん、大丈夫?顔真っ青だよ」

織田さんが心配そうに私の顔を覗き込む。

「だ……大丈夫です。緊張してるだけで」

私はハッとして、咄嗟に笑顔を作った。

「心配することないよ。変な連中ばっかだけど、みんな優しい奴だから。ほら、うちの天才のお出ましだ」

織田さんの視線の先を辿れば、そこには六年間ずっと私が避けていたあの人の顔があって、私は彼と視線が合う前に顔を背けた。

甦るあの時の記憶。ズキンと胸が痛む。

ちらりと見た彼は私が覚えている彼よりもさらに格好よくなっていて、すっかり大人な男性になった。
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