クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
思い出すのも辛くて涙声になる。

「……やっぱりあれ見てたんだ。ドアの外に杏がいるような気がしたんだよね」

永遠は呑気にもそんな台詞を吐く。

彼は私がいたのに気づいてたって言うの?

否定しないってことはお姉ちゃんと付き合ってるってことでしょう?

なのに何で私が好きなんてそんな嘘言えるの?

目から涙が溢れ落ちて頬をつたる。

私が傷ついた顔をすると、永遠は私の頬の涙を手で拭った。

「あれは、俺がキスしたんじゃなくてキスされたの。不意打ちで避けられなかったけど、すぐに拒んだから」

永遠の説明に私は目を丸くした。

「……拒んだ?」

嘘……。

「そう。杏のことだから最初にチラッと見て逃げたんだよね?どうせ見るなら最後まで見れば良かったんだよ」
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