クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
姉が向かい側の座席を指差すと、永遠と並んでそこに腰かけた。

「“おめでとう”って言ってくれないの?」

私の方をじっと見て姉がクスッと笑う。

数年振りに会ったせいなのか姉に違和感を感じた。

私の知っていたお姉ちゃんじゃない。

姉からどこか小悪魔的な雰囲気を感じてしまう。

「……おめでとう」

姉に要求されるまま、ニコリともせずにオウムのようにただ言葉を返す。

すると、姉は皮肉っぽく笑った。

「ホント、嘘がつけない子ね。作り笑いでもいいから笑ってよ。ここに呼んだのは、杏と話をしたかったからなの」

「……私は何も話すことなんかない」

「杏にはなくても私にはあるの。ずっと謝りたかったの。杏の気持ちを知ってたのに、永遠君にキスしちゃってごめんなさいね。あの時、湊に浮気されてムシャクシャしてたの。杏がドアの外にいるのは知ってたわ」
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