クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
昔はよく湊さん、お姉ちゃん、永遠、私の四人でかくれんぼをしたものだ。

なかなか見つけてもらえず、寝てしまったことも何度もある。

他にも乗馬を楽しんだり、テニスをしたり……ここには楽しい思い出が一杯ある。

仕事で忙しいうちの家族も、永遠の家族に説得され、夏は休みを取って一緒に過ごしてくれた特別な場所だ。

湊さんがマスコミ対策をしてくれたせいか、周囲にマスコミの姿はない。

ネットでも都内のホテルで挙式って騒がれてるし、今日は誰にも邪魔されず家族だけで落ち着いて式を挙げられそうだ。

湊さんについて真っ赤な絨毯が敷かれた廊下を通り、一階の奥にある部屋に向かう。

玄関の十数メートル先にある螺旋階段の前で、私はふと立ち止まった。

「ん?杏ちゃん、どうしたの?」
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