クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
涙が込み上げてきて、視界がボヤける。

「……女とホテルにいたって、楓さんと付き合ってたんじゃないの?」

永遠が咎めるような口調で聞くと、湊さんは悲しそうに笑った。

「お互い、束縛するような関係じゃなかったんだ。でも……今は後悔してる」

湊さんの言葉が胸にジーンと来て、彼の方を振り向く。

「湊さん……」

湊さんの顔はとても辛そうで、ベッドで眠るお姉ちゃんと同じように苦しんでいるんだと思った。

「だから、楓の望みは何でも叶えようと思った。知ってた?楓の夢って、アカデミー主演女優賞を取ることでも、ハリウッドに行くことでもなくて……結婚してお嫁さんになることだった」

お嫁さん……。私と同じだ。

普通の女の子が憧れるようなことを夢見ていたなんて……思ってもみなかった。
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