クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
「……湊……」

突然、眠っていた姉がうわ事のように湊さんの名前を呟く。

「お姉ちゃん?」

私は永遠の抱擁を解いてベッドに駆け寄り、姉に声をかけた。

「……杏……?」

私の声に反応して姉が私の名前を呟き、ゆっくりと目を開ける。

「ここは……」

自分が倒れたことを覚えてないのか、姉は目をしばたいて私を見ると、次に湊さんと永遠に目を向けた。

「軽井沢の病院だよ。結婚式のブーケトスしたすぐ後に倒れたの覚えてる?」

私が何があったか説明すると、姉はぼんやりした顔で「……ああ」と頷いた。

「……湊さん、お姉ちゃん大丈夫なの?」

うつろな目の姉が心配で思わず湊さんに声をかける。
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