クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
「じゃあ、俺も着替えてくるから、杏もしっかり。まだここで泣いちゃダメだよ。笑顔忘れずに」

永遠が別室に向かうと、私には二人のスタッフがついてドレスに着替える。

東京でドレスを何着も試着したけど、いざ本番となると身が引き締まるような思いがする。

髪をアップにして化粧をすると、いつもと違う自分が鏡の中にいた。

姉が私のために用意してくれたドレスは、サイズも私にピッタリで……。

「お姉ちゃんってシンデレラに出てくる魔法使いみたい」

思わずそう呟いてしまった。

このドレスを着ていると、今は日本にいる姉が一緒にいるみたいで安心する。

私の準備が出来ると、シルバーグレーのタキシードに着替えた永遠が現れた。

鏡越しに彼と目が合うと、彼は私に顔を近づけた。

「綺麗だよ」

永遠の言葉にボッと火がついたように顔が真っ赤になる。

……どうして臆面もなくそんな気障な台詞をさらっと言えてしまうのだろう。
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