クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
式の準備が整うと、永遠と並んでヴァージンロードに立つが、緊張で顔が強張った。

「どうしよう、永遠。招待客はいないのにドキドキしてきた。

この教会の雰囲気に飲まれそう。祭壇まで歩けるか心配」

急に不安になって私は小声で弱音を吐く。

「一人で歩くんじゃない。俺がいるよ。ずっとね」

私を安心させようと、永遠がギュッと私の手を握る。

「愛してるよ、杏」

……そうだ。一人じゃない。

今の私には永遠がいる。

「私も愛してる」

私は笑顔を浮かべ囁いた。

お姉ちゃんの想いを受け止めてちゃんと式に臨まなきゃ。

「ほら、始まるよ」

永遠の声で彼の腕に手をかけ、ヴァージンロードを一歩一歩噛み締めるようにゆっくり歩く。

途中、慣れないヒールの靴で身体がぐらつきそうになると、永遠が支えて「大丈夫だよ」と優しく微笑む。
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