クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
今の私は何かに呪われている気がする。

そう言えば、今年ひいたおみくじは大凶だったっけ?

ここには来たくなかったのに……。

「憂鬱だな」

ハーッと深い溜め息をつく。

研究所の始業時間は、八時三十分と九時始業の本社よりちょっと早い。

しかも、今日は異動初日で八時前に出勤……って言ってもまだ建物の中に入ってないんだけど。

百メートルほど先に七階建ての白いビルが見える。二~三年前に建て直したこともあって、外観は綺麗だ。

「あれか……」

足取りはかなり重い。

期待なんてものはなく、頭は不安でいっぱい。出来ればこのまま回れ右をして帰りたい。

正門から五分ほど歩き、他の所員の流れに沿って右端の出入口からビルの中に入るが、困ったことに自分の異動先の場所がどこにあるのかわからない。
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