クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
「ほら、花びら」

手のひらの上に花びらを乗せ永遠が私に見せる。

こんな瞬間が過去に何度もあった。

離れていた時間や距離が一気に縮まった気がする。

ふと永遠の頭に目を向ければ、彼の頭の上にも花びらが乗っていて、私は手を伸ばしてそれを取った。

「永遠にもついてた」

嬉しそうに私も花びらを永遠に見せるが、すぐに自分の失態に気づく。

……マズい。つい気が緩んで『永遠』って呼んじゃった。昔に戻った気がして……。私ってバカだ。

私の手の中の花びらは、風でひらひらと舞ってどこかへ落ちていく。

心臓がバクバクしてきて顔からサーッと血の気が引いた。

言ってしまった言葉は取り消せないのに、私は右手で口を押さえ、恐る恐る周囲を見渡す。
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