クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
みんな気づいた?

幸いみんな織田さんの話で盛り上っていて、私の失言には気づいていないようだ。

でも……これ以上永遠に優しくされると、私は冷静ではいられなくなる。

またきっと下の名前を呼んでしまう。それに、忘れるな。

永遠に恋したって想いは通じないんだから……。

私の想いはこのまま凍らせるんだ。溶かしちゃいけない。

「あの……すみません。身体が冷えてきたので、申し訳ないのですがお先に失礼します」

永遠から逃げ出すようにペコリと頭を下げ、荷物を取りに走って居室へ戻る。

冷えた身体で急に暖かい屋内に入ったせなのか、それとも必死で走ったせいなのか、何だか気分が悪い。

デスクの下に置いてあるバックを取ろうと身を屈めると、急に目の前に黒い渦巻きが見えた。
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