クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
『でも……』

私が戸惑っていると、永遠が私の手を握った。

『ママのカレー美味しいよ。杏ちゃんも一緒に食べよう』

永遠の手が温かくて私は思わず『うん』と頷いた。

『杏ちゃんのママにはおばさんが連絡しておくから大丈夫よ』

永遠のお母さんも私を安心させようと優しく微笑んだ。

それが彼の家族と親しくなったはじまり。

永遠のお母さんのカレーは甘くて優しい味がした。

彼の家は明るくて温かくて……私の欲しいものがそこにあった。

永遠の家族は私に居場所をくれたのだ。

でも……もうその居場所もなくなってしまって私は……またひとり。

気にすることなんてない。元に戻っただけ。

そう……元に戻った。それだけのこと。

……カタカタ、カタカタ。

パソコンのキーボードを叩く音が聞こえる。

ああ……永遠がプログラミングしてるのか。
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