クールな御曹司はウブな彼女を乱したい〜抱き尽くされる溺愛初夜〜
私の目をじっと見つめるその漆黒の瞳、頬にかかる彼の髪。

目を見開き、思わず息を止める。

これは……夢じゃない‼どうして永遠と一緒にいるの?

頭の中はパニックだ。

「下がったか」

ホッとした声でそう言うと、永遠は上体を起こして私から離れる。

ずっと息を止めていた私はハーッと息を吐くと、独り言のように呟いた。

「……どうしてこうなったの?」

「覚えてないの?昨日、お花見の途中で帰るって言って居室に戻ったら杏、倒れて痙攣起こした」

ああ……気を失う前、『杏』って永遠が呼ぶ声が聞こえたけど、あれはどうやら幻聴ではなかったらしい。

私って……タイミング悪すぎでしょ。

何で永遠のいる前で倒れるかな。
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